<aside> ✏️ 弊卓にHO3でお越し頂いた方が書かれた前日譚を、NPC視点で書き直したアンサーSSです。神々の背景は完全に私の独自解釈と妄想なので悪しからず。

▼素敵な前日譚 https://fusetter.com/tw/znUEgqTL

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「おや、お出かけですか? バルトロ?」

白い羽を持つ生物に呼び止められ、回廊を歩いていたバルトロは足を止めた。

「ああ。もしかしたら今日は、仲間が増えるかもよ。先輩として仲良くしてね、ってドーリに伝えておいて」

「それは喜ばしいですね! 分かりました、伝えておきましょう」

頼まずとも主人に何でも話しそうな様子の水鳥は、そのまま羽ばたいて行った。

それを見送ってから、バルトロはまた歩き出し、石造りの門の前まで来た。  念のためにレプリカの鍵を回すジェスチャーはやっておくが、究極の門への”路”が収斂するこの場所には、常に複数の"門”が開いており、自分はただそれを繋ぎ変えているだけだ。

門をくぐり、景色が変わる。その先にあったのは、生命の気配が灰と共に崩れ去った土地。

地上から昇った大量の煙により空は灰色で、まだ火種が尽きていない家屋が音を立てて燻り、遠くを見やれば蜃気楼が景色を歪ませている。地には焼け付いた生命の残骸が転がり、廃墟と化した街からは亡霊のうめき声さえ聞こえるようだった。

そんな地獄の景色もかくや、という土地をゆっくりと見渡し、バルトロはふむ、と頷いた。

わざわざ目に映さずとも、備わる数多の感覚器官により周りに息づくものは感知でき、熱や形も捉えられるのだが、それでもこの姿で居る時は、視覚の比重を上げて過ごすようにしている。

――経緯は、この小さな幻夢境が発生してから、数百年経った頃にまで遡る。  いずれ異界の神・キーザが、この地に落とし子を作り人間を拐す、と予見した大いなる神の意志により、化身である自分は遣わされた。

人間がいくらか連れて行かれたところで気にすることは無いが、地球の幻夢境が彼の異形の神の支配下に置かれるのは避けねばならない。この隔絶された夢の国が本元を侵食しないか監視し、不穏分子である落とし子を観察することになったのだ。

しばらくして、予言通り、キーザはその身をこの世界に降らせた。そこから更に3000年程の時間が経ち、キーザの落とし子――"魔法使い”は、とうとう人間と大規模な抗争を起こすようになった。

今日の仕事は、この惨状を一人で引き起こした落とし子の回収だ。

どうせ観察するなら、自分の支配領域に置き、多少なりとも快適に暮らしてもらった方が楽で、気分も良いと思って始めたことだ。ほぼ気まぐれに近い。

(さて、今回のは大人しく付いて来るかな)