<aside> 🤖 CoC「VOID」をHO1で遊ばせてもらったログを、PCの視点で焼き直したリプレイです。PCはセルフ秘匿で男装女子設定です。 PCたちのセリフは前後を繋ぐために多少加筆修正しつつ大体そのまま。 地の文は完走後の後付け多。

</aside>

どこかから聴こえるバイオリンの旋律。蓄音機という時代の遺物から流れ出すクラシック音楽。

――ああ、また、あの夢だ。

そう思った瞬間に、視界が切り替わる。

倒れ伏す女性。その下に広がる血の海。  何かが倒れるような音に、ドアの開閉音。  そして、長い髪を2つくくりにし、血に濡れたワンピースをそのままに崩れ落ち、呆然と泣いている少女。

確かに自分が経験したことのはずだが、自分はその様子を、この場にはいない第三者の視点で見ている。当時の自分と今の自分を切り離そうという心理が、いつからか夢をこういう形に変容させたのだ。

金属が擦れ合う音がして、視界が強制的にそちらへ切り替えられる。人工皮膚を貼られていない、剥き出しの機械の手が凶器を握っている様子が、限界までフォーカスしたカメラ映像のように映し出される。

途端に感じる、圧迫感。

息苦しい。傍観者の立場になってなおのしかかる重圧は、今も自分の奥底に根付く機械への恐怖を目の前に突きつけてくる。

この後に何が起きるかも、よく知っている。何度も見てきた、過去。

だが、この日は少しだけ違った。

いつも泣いているだけの少女が、こちらを振り返り、唇を動かしたのだ。

「――起きて」

……彼女の名は、蛍(ほたる)。

弱虫で泣き虫の、賢しいばかりで肝心の時には何もできない……昔の、私。

意識が覚醒する。そこには見知った顔があり、頭痛に呻きながら文句を言う。

「透也、勝手に部屋に入るな……」